東京ドームに場所を移して行われた「SMBC日本シリーズ2019」第3戦。巨人先発はレギュラーシーズンで18試合に登板し、5勝を挙げたルーキーの髙橋優貴。ソフトバンク先発は故障のためシーズン2勝に終わったバンデンハークが満を持してマウンドに向かう。髙橋は立ち上がり、柳田悠岐に四球を与えるものの、後続を打ち取り上々のスタートを切る。対するバンデンハークは先頭打者の亀井善行に7球目のストレートをライトスタンドに運ばれ、先制点を許してしまう。
2回表、すかさず反撃を見せるソフトバンクは五番に入ったグラシアルがシリーズ2号となるセンターバックスクリーンへの本塁打で同点に追いつく。
3回表、ソフトバンクは一死から川島慶三が粘って四球を選ぶと、続く今宮健太が中前にヒット。柳田は倒れたが二死からデスパイネが中前適時打を放ち、2対1と勝ち越しに成功する。さらに二死一、二塁。巨人は先発の髙橋をあきらめ、鍵谷陽平にスイッチ。マウンドを託された鍵谷は前の打席で一発を打っているグラシアルから空振り三振を奪い、ガッツポーズ。ピンチを切り抜けた。
鍵谷のリリーフで流れが変わった3回裏、初回先頭打者本塁打を放ち「勝つしかないからね!それだけ、それしかないね!」と気合を込めていた亀井が、2打席連続の本塁打を放ち、2対2の同点に追いつく。
しかし直後の4回表、この回から代わった高卒新人の戸郷翔征をソフトバンク打線が攻め立てる。一死から内川聖一の左前打、甲斐拓也が四球で一、二塁のチャンスを作ると、打席に立ったバンデンハークは2球目をバント。戸郷が打球を処理し、三塁に送球するもののショートバウンドとなり、岡本和真が捕球できず。悪送球で満塁のピンチ。ここでソフトバンクは川島に代えて打席に長谷川勇也を送ったが、背番号24は期待に応えて初球を確実に打ち上げ、左翼への犠飛でソフトバンクが勝ち越した。
ソフトバンクの勢いは止まらない。続く今宮の当たりは三塁へのゴロだったが、当たりが緩く、内野安打に。二死満塁となり、三番の柳田がストレートの四球を選び、押し出しで追加点。さらにデスパイネにも適時打が生まれ、巨人のミスにつけ込んだソフトバンクがこの回、一気に4点を奪って6対2とリードを広げた。
その後、5回から巨人は澤村拓一、田口麗斗、中川皓太が、ソフトバンクも石川柊太、甲斐野央が好投を見せ、両チーム無得点で試合終盤を迎える。
巨人は8回裏にマウンドへ上がったモイネロから、この試合無安打の丸佳浩が四球を選び出塁。一死一塁で打席に迎えたのは守備でのミスを取り返したい四番・岡本。しかし岡本は三ゴロ併殺打に倒れ、なかなか得点のチャンスを作れない。
9回裏、巨人はソフトバンクのクローザー・森唯斗から先頭の阿部慎之助が意地のヒットで出塁したが、代走の増田大輝が暴投で三塁を欲張って憤死。最後はゲレーロが三振に打ち取られ、ゲームセット。ソフトバンクが3連勝で日本一に王手をかけた。
そつのない攻撃を見せる打撃陣に、質量ともに豊富な投手陣。ソフトバンクはクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦から9連勝とポストシーズンで圧倒的な強さを見せるが、工藤公康監督は「今日勝ったことは忘れて明日の一戦にすべてをかけたい」と一戦必勝を強調。一方、原辰徳監督はこの試合でも無安打に終わるなど主軸の坂本勇人、丸、岡本に本来の当たりが出ていないことに「なかなかジャイアンツらしさ、ジャイアンツの良さが出ていない」と嘆いたが、「もがきながらプレーしているけど、スタイルを変える必要はまったくない」と奮起を促す。明日の第4戦、ソフトバンクが一気に3連覇を成し遂げるか、それとも巨人が反撃することができるか――。
2019年10月22日(火)
東京ドーム ◇開始 18:18 (3時間38分) ◇入場者 44,411人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
福岡ソフトバンク | 0 | 1 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 7 | 0 |
読売 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 | 1 |