2年連続の同じ顔合わせとなったSMBC日本シリーズ2020開幕を翌日に控えた11月20日、巨人とソフトバンクが京セラドーム大阪で前日練習を行った。
さまざまな事情が重なり、本拠地・東京ドームではなく、京セラドーム大阪をホームとすることとなった巨人は、すでに18日に大阪入りして練習をしており、この日はリラックスしたムードの中で行われた。当初予定の13時半開始よりも早い、13時5分過ぎには選手たちがグラウンドにてウォーミングアップを開始。その後、投手は外野エリアにてキャッチボールやダッシュなどで汗を流し、野手陣はフリー打撃で快音を響かせた。
練習後、会見に臨んだ原辰徳監督はペナントレース最終戦からちょうど1週後の開幕となる日本シリーズ開幕に向けて「非常に心地よい時間を過ごせました。ケガ人のほうもかなり戻ってきていて、戦力は整った。チームそのものは昨年よりも進化しています。いろいろな意味で準備はできていると思っています。(ホークスは)パのチャンピオンチーム。相手を見ることも大切ですが、われわれの野球ができるか、が重要」と思いを語った。
一方のソフトバンクも、当初の予定時間よりも早い17時半ごろから練習を開始。いまや練習時の恒例になっているドラフト2位ルーキー・海野隆司の“ワンマンショー”、この日は球団応援歌『いざゆけ若鷹軍団』を、美声を響かせ熱唱すると、チームはより一層明るいムードに包まれた。巨人同様に、投手陣は外野エリアでキャッチボール、野手陣はフリー打撃などで汗を流す。終始いたるところから大きな声が聞こえ、いい意味でいつもどおり。主力陣はリラックスムードで、若手選手らは少し緊張感をにじませながらも、予定時間いっぱい練習に励み、しっかり最終調整を行った。
工藤公康監督は翌日に迫った日本シリーズ開幕について、「非常にワクワクしていますし、少し緊張もしています。ここに来るまでに多くの方に支えていただきました。そういった皆様のためにも素晴らしい日本シリーズにしたいと思っております。そして、4年連続の日本一を勝ち取って、素晴らしい結果を見せられるように頑張ります」と王者の余裕を見せた。
練習の合間には原監督と工藤監督が監督会議に臨んだ。全試合DH制で行われることなどを含め、試合実施要項等を確認したあと、今シリーズでもレギュラーシーズン同様に予告先発制が両監督によって賛同されたことが発表され、第1戦には巨人が菅野智之、ソフトバンクが千賀滉大を先発に立てることが発表された。
昨季は腰痛などもあり、第4戦の先発だった菅野は「やるべきことはやってきました。(第1戦は)僕以外にいないでしょう。自分の仕事をしっかりするだけ。最少失点で長いイニングを目指して投げていきます」と意気込みを語った。ソフトバンクの先発・千賀については「特別な存在」と認め、「同じピッチャーとして尊敬できるピッチャーは日本でも少ないし、この上ない対戦になると思う。僕たちは挑戦者なので、千賀君に挑戦したい」と話した。
これを受けて千賀は「(菅野との投げ合いが)楽しみというより、チームが勝つことが第一。実際に菅野さんと対戦するわけではないので、チームが勝つようにしっかり打線を抑えて、いつもどおり入っていきたいなと思います」。堀内恒夫(1969~72年、巨人)以来の4年連続となる日本シリーズの開幕投手にも「そこまで出られているチームがすごいな」と率直な感想を述べ、「普段どおり」と明日に向けて落ち着いた様子だった。
日本を代表するエース同士の投げ合いで好ゲームが期待できるSMBC日本シリーズ2020第1戦は、明日21日、京セラドーム大阪にて、18時10分プレーボールで行われる。