ソフトバンクが第1戦を勝って迎えた「SMBC日本シリーズ2020」の第2戦(京セラドーム大阪)。ソフトバンクの先発は今季11勝で最多勝を獲得した石川柊太に対し、1戦目をエース・菅野智之で敗れた巨人は今季5勝の左腕・今村信貴を抜擢する。ともに日本シリーズ初先発の投げ合いは明暗が分かれた。
初戦の勢いそのままにソフトバンク打線が今村に初回から襲いかかる。二番・川島慶三が四球で出塁すると、1戦目は無安打だった三番・柳田悠岐がライナーでセンターの頭上を越える適時二塁打。「打ったのはシュートだと思います。(川島)慶三さんが一生懸命走ってくれたおかげです。まだ序盤だし、もっと追加点を取って、投手が楽に投げてもらえるように頑張ります」と言葉に力を込めた。さらに、グラシアルが二遊間へ強烈な打球で内野安打。二塁・吉川尚輝が横っ飛びで好捕するが、一塁に悪送球の間に柳田が二塁から本塁に生還する。攻撃はさらに続く。1戦目に猛打賞4打点と大活躍の栗原陵矢が右前打でつないで一死一、三塁と好機を拡大。デスパイネの三ゴロの間に三塁走者・グラシアルが本塁を駆け抜ける。3安打の集中打で3点を先制した。
2回表も甲斐拓也がバックスクリーン左へのアーチで4点目。日本シリーズ第1号に、「しっかり芯で打つことができました。試合終了まで気を抜くことなく集中していきます」と表情を引き締めた。巨人は2回表二死で早くも今村から2番手・戸郷翔征にスイッチするが、3回表も柳田が地面スレスレのフォークをすくい上げる技ありの左前打で出塁し、グラシアルがスライダーを豪快に振り抜いて左中間に2ラン。序盤の3回で6得点を奪い、試合の主導権を握る。
石川は立ち上がりからテンポの良い投球で巨人打線を抑え込む。初回に先頭の吉川尚を7球すべて直球で三ゴロ、松原聖弥をパワーカーブで見逃し三振、坂本勇人をスライダーで空振り三振に抑えて三者凡退。2回裏も岡本和真をフォークで空振り三振、丸佳浩を二ゴロ、亀井善行も左飛とすべての球種が高い精度でこの回もわずか6球で出塁を許さない。
巨人は3回裏に先頭の中島宏之が四球で出塁すると、吉川尚がパワーカーブをレフト前に落とすチーム初安打で二死一、二塁の好機を作るが、松原が一ゴロに倒れて得点ならず。
ソフトバンクは5回表も一死一、三塁で3番手・田口麗斗からデスパイネがきっちり右礒飛を放ち、7点目を追加。一方的な展開になるが、巨人にも意地がある。5回裏に中島が死球で出塁し、ウィーラーが石川の144キロ直球をライトスタンドに運ぶ2ラン。「つなぐことだけ考えて打席に入りました。まだ点差はあるので、これで少しでも勢いをつけて、これから追いつける試合展開にしたいね」と振り返る一撃で反撃の口火を切る。
6回裏は坂本が中前打、岡本も中前打と連打で一死一、二塁の好機を作る。だが、ここでソフトバンクの強力救援陣が立ちはだかった。石川から代わったサイド左腕・嘉弥真新也が丸をスライダーで空振り三振に仕留めると、サブマリン右腕・高橋礼が代打の代打・田中俊太に四球で二死満塁と走者をためたが、中島をフルカウントから直球で空振り三振に切り抜けて得点を許さない。
ピンチを切り抜けたソフトバンクは7回表一死満塁からデスパイネが鍵谷陽平から右中間スタンドに飛び込む満塁弾で勝負を決めた。救援陣は7回裏以降も岩嵜翔、杉山一樹、椎野新と150キロを超える剛速球右腕たちの継投策で無失点と隙を与えない。13対2の大勝で2連勝を飾った工藤公康監督は「初回からしっかり点を取れたのが大きかった。みんなでつなげる野球をやったのが勝利につながったと思う」と選手たちを称えた。
日本シリーズ第3戦は場所を福岡PayPayドームに移し、11月24日(火)に開催される。
2020年11月22日(日)
京セラD大阪 ◇開始 18:11 (3時間40分) ◇入場者 16,333人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
福岡ソフトバンク | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | 2 | 13 | 15 | 0 |
読売 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 2 |