デイリーリポート
開幕前日
2017年以来7年ぶりの対決となるSMBC日本シリーズ2024、DeNAはジャクソン、ソフトバンクは有原航平が開幕マウンドへ
絶対的強さを誇った王者か、下克上を見せた勢いか。2位に13.5ゲーム差をつける独走でパ・リーグを制し、クライマックスシリーズ（CS）も危なげなく突破したソフトバンクと、セ・リーグ3位からCSファーストステージ、CSファイナルステージを突破してきたDeNAが激突するSMBC日本シリーズ2024。7年ぶりの顔合わせでの開幕を翌日に控えた10月25日、横浜スタジアムで両チームが前日練習を行った。
本拠地で第1戦を迎えるDeNAは、CSファーストステージで左ハムストリングスを痛めCSファイナルステージを欠場したエース・東克樹がランニングでしっかりと汗を流して復調気配。野手陣はアップからキャッチボール、シートノック、ティーバッティング、フリー打撃ときっちりメニューを消化した。主将・牧秀悟をはじめ佐野恵太、T.オースティン、宮﨑敏郎ら打線の中核を担う選手も快音を連発。一方で、9月に右尺骨を骨折した正捕手・山本祐大は出場資格選手として登録されたがグラウンドには姿を見せなかった。
練習後、監督会見に臨んだDeNA・三浦大輔監督は「日本シリーズという大きな舞台で、また横浜スタジアムに戻って試合ができることに、非常に喜びを感じている」とした上で、「やはり勝ってファンの皆さまと一緒に喜びたい。チーム一丸」とCS同様チームの結束を強調した。対戦相手のソフトバンクについては「数字でも示すとおり強いチームだと思います。流れも非常に大事だなと思いますし、CSで得た勢いを持ったまま臨んでいきたい」と気を引き締めた。
その後、三浦監督とソフトバンク・小久保裕紀監督は監督会議へ。三浦監督が「今、野球界はすごく注目されていると思います。レギュラーシーズン、CS以上に日本シリーズでもっともっと盛り上げてファンの方に楽しんでもらえるような試合を提供したい」と語れば、小久保監督も「ワールド・シリーズと（日程が）かぶるので、注目度が分散されがちなところですが、日本の代表としてDeNAさんとともに日本国民が喜ぶようなシリーズにしたいと思います」と健闘を誓った。また、前年同様予告先発の採用は決まっており、大事な第1戦の先発も両指揮官から発表。DeNAはA.ジャクソン、ソフトバンクは有原航平の両右腕がマウンドに上がる。
大舞台だからこそ基本に返ることを強調した。小久保監督は監督会議後の会見で、守りのポイントとしてDeNAの四番・オースティンの名前を挙げ「交流戦で同点3ランを許したことが印象に残っている。長打の多い打線でもあるので」と警戒を強めた。打線には「（今季の）交流戦では3試合しかしていませんし、投げていない相手投手もいる」としながら、初対戦の投手に対し「対策は練りますが、初見の投手には真っすぐに合わせることが基本。こういうときこそ基本に立ち返って」と要望。ただ、最後は「起用を決めたあとプレーするのは選手なので、選ばれたパ・リーグの代表として頑張ってもらいたい」と期待を込めた。
前日の24日も横浜スタジアムで練習を行ったソフトバンクナイン。25日は実際の試合開始時間に近い18時から練習を開始した。投手陣は外野で調整、野手陣はまず入念に守備練習に取り組んだ。今季の交流戦はナイトゲームが1試合のみ。またドーム球場を本拠地としているとあって、照明による打球の見え方などにはやはり注意が必要だ。それぞれが確認を行いながら、肌寒い中でも甲斐拓也、栗原陵矢らを筆頭に大きな声が飛び交っていた。打撃練習では風向きなどにも気を配り、選手同士でどちらの方向なら打球が伸びるかなどの意見交換も。慣れない敵地ながらしっかりと準備をして、大事な初戦に臨む。
いよいよ開幕となるSMBC日本シリーズ2024。1998年以来26年ぶり3度目の日本一を目指すDeNAが勢いに乗って攻め立てるか、それとも、2020年以来4年ぶり12度目の頂点を期すソフトバンクが押し切るのか。両チームともに強力打線を備えるだけに、ワンプレーが勝敗を左右ことは間違いない。一瞬も目が離せない第1戦は明日26日、横浜スタジアムにて、18時30分プレーボールで行われる。
