ソフトバンクが王手をかけるか、それともDeNAがタイに戻すか――。10月30日に第4戦を迎えたSMBC日本シリーズ2024。前日に続いて3万5000人を超える大観衆が集まったみずほPayPayドーム福岡で熱戦が繰り広げられた。
3回までゼロ行進。均衡を破ったのはDeNA四番のオースティンの一撃だった。4回一死で打席に入るとカウント1-2からの5球目、石川柊太の甘く入った直球をたたいた打球は右翼ホームランテラスに吸い込まれる先制ソロ弾に。「いつもそうですが常に強い打球を打つことを心掛けています。特にこの打席は追い込まれていたので、芯に当てるイメージを強く持っていました。先制点を取れてよかったです」。第1戦で左足甲に自打球を当て第2戦を欠場したオースティン。第3戦は強行出場したが、患部には腫れが残り、状態は良くない。それでもグラウンドに立ちフルスイングを続ける助っ人がチームを鼓舞する。
投げても助っ人が奮闘。初回先頭から4者連続三振を奪うなど、3回6奪三振と抜群の立ち上がりを見せたDeNA先発のケイだ。4回は先頭の柳田悠岐に初安打を許したが、周東佑京を二ゴロ、栗原陵矢は二直、山川穂高は右飛に打ち取る。5回も一死から今宮健太に二塁打を浴びるが、牧原大成を二飛、甲斐拓也は9球粘られたが三ゴロに打ち取って得点を許さない。
次の1点が試合の行方を大きく左右する――。ソフトバンクは6回二死一塁で2安打しているオースティンを打席に迎えると、石川から尾形崇斗にスイッチ。尾形は直球、スライダーで2ストライクに追い込むと、甲斐は高めにミットを構える。渾身の154キロ直球を投げ込んでオースティンを空振り三振に仕留めた尾形は、派手なガッツポーズを見せてマウンドをあとにした。ソフトバンクは6回二死二、三塁で打席に入った山川に対してケイが続投。初球のチェンジアップで中飛に仕留め、ケイはマウンド上で雄叫びを上げた。
すると7回、先頭の宮﨑敏郎が鮮やかな一撃を見せる。回またぎをした尾形のど真ん中に入った直球を見逃さず、追撃のソロ弾を左翼席へ。「先頭だったのでまずは出塁することを考えて打席に立ちましたが、最高の結果になって良かったです」。この打席の前まで今シリーズでは打率.083と不振を極めた男の一発で勢いづいたDeNA。さらに一死満塁と尾形を攻め立てると代わった岩井俊介から桑原将志が左翼フェンス直撃の2点適時二塁打、二死満塁からはオースティンが左前適時打を放ち5対0とリードを広げた。
ケイは7回4安打無失点の快投。8回は坂本裕哉、9回はウェンデルケンがゼロに抑え完封リレー。DeNAが5対0でソフトバンクを下し、対戦成績を2勝2敗の五分とした。三浦大輔監督は「チーム全体で、その日の試合を全員で全力を出し切ろうっていうことで毎日やっています」と一丸姿勢をアピール。果たして31日の第5戦で、日本一へ王手をかけるのは、どちらのチームになるのか。
2024年10月30日(水)
みずほPayPayドーム福岡 ◇開始 18:33 (3時間19分) ◇入場者 36,623人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
横浜DeNA | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 5 | 11 | 0 |
福岡ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 |