ともにリーグ連覇を果たしてクライマックスシリーズを突破したヤクルトとオリックスによるSMBC日本シリーズ2022。開幕を翌日に控えた10月21日、両球団が神宮球場で前日練習を行った。
開幕戦を本拠地で迎えるヤクルトは、14時過ぎに全体練習を開始。ウォーミングアップを終えると、2カ所でフリー打撃が行われた。今季、三冠王に輝いた村上宗隆は逆方向を中心にスタンドインを連発。バックスクリーン直撃弾も多く、状態の良さをうかがわせた。また、フェアグラウンド内では並行して内外野のノック、走塁練習も実施。自身初の頂上決戦を控える長岡秀樹は30分近くノックを受け続けるなど、ショートの守備を入念に確かめた。最終組の打撃練習が終わったのが15時55分。2時間の練習はムードメーカーの奥村展征を中心に、終始リラックスした雰囲気の中で行われた。
練習後、監督会見に臨んだ髙津臣吾監督。2年連続日本一となれば球団史上初の快挙だが「特に意識することはありません」とキッパリ。「まず第一は、勝ちたいと思います。4勝したいと思います。その次に昨年もそうだったんですけど、『素晴らしい戦いだったね』と言われるような日本シリーズにしたい」と意気込みを語った。
その後、髙津監督と中嶋聡監督が監督会議に臨んだ。昨年は予告先発を採用しなかったが、今年は採用することで一致。ヤクルトは小川泰弘、オリックスは山本由伸と両監督が明かした。また、中嶋監督が「神宮球場は2019年以来なんですけど、グラウンドルールで難しいものはあるのでしょうか」と質問する一幕も。事務局は「ありません。単純です。ベンチの中にグラウンドルールが記載されたものがあるので読んでいただければ。希望があれば明日の試合前に早めにお伝えできればと思います」と返答した。
オリックスナインも3年ぶりに試合を行う球場でプレーの確認へ。予定の17時より5分ほど早く練習を開始し、ウォーミングアップを行ったあと、投手陣は外野で各自調整を行い、野手陣はフリー打撃、ティー打撃、走塁に分かれ、守備に就く選手も。陽も沈み、気温も下がってきた中でも杉本裕太郎がノースリーブのアンダーシャツで汗を流すなど活気にあふれた。フリー打撃では主砲・吉田正尚が左翼席、右翼席に打球を運んで好調維持をアピール。第1戦、第2戦はDH制なしとあって投手陣も打撃練習を行い、最後はシートノックで連係プレーや、外野のクッションボールの処理の確認と準備に余念なし。
第1戦の先発マウンドを託される山本も、外野でキャッチボール、遠投を行いブルペンでも投球練習を行うなど調整し「いよいよ明日だな、と。いろいろチェックはしたので」とマウンドも確認。「打線が12球団の中でもトップレベルで良いと思うので。一人ひとりの対戦に集中していきたい」と第1戦への決意も口にした。中嶋監督も「普段どおりのピッチングをしてくれれば」と山本に期待を寄せ、「いよいよ始まる。楽しみのほうが大きい。本当にチャレンジャーとして、チャンピオンチームにぶつかっていきたい。本当に熱い戦いを期待してもらいたい」と決戦の開幕を待つ。
昨年は4勝2敗でヤクルトが日本一に。2年連続のマッチアップとなる今年は、ヤクルトの連覇か、それともオリックスのリベンジか──。三冠王を獲得したヤクルトの主砲・村上と、投手4冠に輝いたオリックスのエース・山本の対決など、見どころ満載のSMBC日本シリーズ2022第1戦は明日22日、神宮球場にて、18時30分プレーボールで行われる。