10月23日、SMBC日本シリーズ2022の第2戦が神宮球場で開催された。2年連続での対戦となったヤクルトとオリックス。初戦はヤクルトがオリックスのエース・山本由伸から4点を奪い5対3で先勝したが、第2戦も息詰まる戦いが繰り広げられた。
先制したのはオリックスだった。3回表、先頭の紅林弘太郎が二塁打で出塁すると、伏見寅威の二ゴロの間に紅林は三塁へ。ここで打席に入ったのは山﨑福也だ。今季は5勝に終わった左腕だが、第2戦での先発抜擢の理由に「やっぱり神宮で投げてきたというのと、バッティングってことじゃないですか」と本人。明大時代には神宮球場でプレー、打撃でも通算打率.264を残していた。日大三高3年春のセンバツでは大会最多タイの1大会13安打をマーク。今年の交流戦では代打でも起用されていた。打撃に自信を持つ山﨑福が、先制のチャンスでベンチの期待に応えサイスニードの低めチェンジアップに食らいつき、右前へ先制適時打。この回、オリックスはさらに1点を追加し、2対0とリードを広げた。
山﨑福はマウンドでは粘りのピッチングを披露。1、2回とも走者を出しながらゼロで切り抜けていたが、3回裏も二死一、三塁のピンチを迎え、打席には第1戦から4打数連続安打のオスナを迎えた。絶好調の助っ人に対して初球真ん中のチェンジアップで見逃しストライクを奪うと、2球目は内角高めの直球で体を起こす。3球目は外角低めの絶妙なコースにチェンジアップを投げ込み、見逃しストライク。続く4球目は3球目と同じ外角低めへ直球を投じ、右飛に打ち取ってピンチを脱した。
オリックスは5回表、二死一、三塁から杉本裕太郎の三塁へのボテボテの内野安打で、さらに1点を挙げた。「(山﨑)福也が頑張ってくれていたので、どんな形でも追加点になってくれてよかったです」と杉本は一塁ベース上で笑顔を浮かべた。3対0となったその裏から、オリックスは継投に入る。5回裏、マウンドに上がったのは山﨑颯一郎。右腕は150キロ超の直球を中心にヤクルト打線に2イニングで得点を与えない。7回裏は宇田川優希が登板。二死から塩見泰隆に中前打を浴びたが、続く代打・青木宣親を力のある直球で三振に仕留めた。8回裏から登板したワゲスパックは二死からオスナ、中村悠平に連打を浴び、サンタナに四球で満塁のピンチを背負うも、長岡秀樹を三振。3対0のまま最終回の攻防となった。
9回表、オリックス攻撃陣は得点を挙げられず。その裏、マウンドに立ったのは阿部翔太だ。シーズンで44試合に登板して防御率0.61の右腕で完封リレーが完成かと思われたが、ヤクルト打線が粘る。先頭の宮本丈が二塁打で出塁すると塩見が四球を選んで無死一、二塁。ここで代打に内山壮真が送られた。高卒2年目の若燕はカウント0-2から低めのスプリットを2球、見極めると6球目、真ん中高め直球をフルスイング。打球は大歓声とともに左中間席へ吸い込まれた。「自分の仕事は山田さんと村上さんに良い形でつなぐことだったので、簡単に追い込まれてしまいましたが、食らいついて打ちました。いい角度で上がってくれました」(内山)。どよめきに包まれたスタジアム。史上16人目の日本シリーズ初打席本塁打は起死回生の同点3ランとなり試合は振り出しに戻った。
延長ではオリックスが10回表に一死一、二塁、11回表に一死二塁、12回表に二死一、三塁、ヤクルトが10回裏に二死一、三塁、11回裏に二死二塁とチャンスをつくるも、両軍の投手陣が踏ん張り決着がつかない。12回裏は近藤大亮がマウンドへ。オリックス8番手右腕は気迫の全12球直球勝負でヤクルト打線を三者凡退。シリーズ史上2位の5時間3分の死闘の末、第2戦は3対3の同点に終わった。日本シリーズの引き分けは2018年広島対ソフトバンク第1戦(マツダスタジアム)以来、9度目の出来事だった。
2022年10月23日(日)
明治神宮野球場 ◇開始 18:04 (5時間3分) ◇入場者 29,410人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 計 | H | E | |
オリックス | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 13 | 0 |
東京ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 12 | 1 |