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日本野球機構オフィシャルサイト

SMBC日本シリーズ2022

デイリーリポート

第7戦

2敗1分けからの4連勝でオリックスが26年ぶりの日本一に。ヤクルトは悲願の連覇ならず

 オリックスが3連勝で3勝2敗1分けと王手をかけて迎えたSMBC日本シリーズ2022第7戦が神宮球場で行われた。連覇へ向けて逆襲を誓うヤクルトは先発のサイスニードがいきなり先制パンチを浴びてしまう。初回、先頭の太田椋が初球、真ん中低めの直球をジャストミート。打球はバックスクリーン飛び込むソロに。球場内には観客のどよめきが沸き起こった。「何とかいい流れを持ってこられるように、ドンドン思い切って振っていこうと打席に入っていました。タイミングもしっかりと合っていましたし、良い感触で打てたと思います」(太田)。初回先頭弾はシリーズ史上13人、14度目だが、「初球」を打ったのは史上初の快挙だった。

 オリックス先発の宮城大弥は中4日の登板だったが快調に飛ばす。1回裏を三者凡退で立ち上がり、2回裏には二死から連打を浴び一、二塁とされるが長岡秀樹を遊ゴロに。3回裏、4回裏は3人で片付けた。サイスニードも2回表から4回表までオリックス打線を無安打に抑える。しかし5回表、思わぬ形でピンチを広げてしまう。先頭の伏見寅威に右前打を浴びると続く宮城は犠打。だが、打球は前進してきた三塁手・村上宗隆とサイスニードの間を転がっていく。内野安打となり無死一、二塁に。さらに太田が三塁側へ犠打を試みると村上とサイスニードが打球処理をお互いに任せてしまう。太田が一塁に生きて無死満塁とヤクルトは絶体絶命のピンチに陥ってしまった。

 続く宗佑磨に高め直球を強振されるも打球は前進守備の一塁手・オスナが好捕。一塁を踏み、すかさず本塁へ転送し送球を受けた捕手・中村悠平は三本間に三走・伏見を挟んでタッチアウト。併殺を完成させて二死とした。だが、ここでサイスニードが踏ん張れない。中川圭太に四球を与えて再び満塁としてしまうと、吉田正尚に痛恨の押し出し死球。さらに杉本裕太郎に左中間へ飛球を運ばれると、中堅手・塩見泰隆が追いつき捕球態勢に入りながら捕れずに後逸。打球が左中間を転々とする間にすべての走者が生還し、ヤクルトはこの回、一気に4失点。オリックスが5対0と試合の主導権を握った。

 宮城は5回裏、一死一、三塁のピンチにも動じず代打・川端慎吾を見逃し三振、塩見を遊ゴロに打ち取る。宮城は6回表に打席が回ってきたところで代打が送られ交代。5回を3安打5奪三振、無失点でリリーフ陣にバトンを渡した。6回裏からは宇田川優希がマウンドへ。シリーズ3試合に投げ、防御率0.00の宇田川はこの試合もヤクルト打線の前に仁王立ち。150キロ超の直球とフォークを駆使し、2回で3三振を奪い得点を許さない。

 意地を見せたいヤクルトは8回裏、塩見、丸山和郁の連続安打で無死一、二塁と山﨑颯一郎を攻め立てる。三番・山田哲人は空振り三振に倒れたが、四番・村上が150キロの内角直球を鋭いスイングで振り抜き、右前適時打で1点。なお一死一、三塁でオスナが真ん中スライダーを左翼席にたたき込む。豪快な3ランで一気に1点差までに詰め寄った。

 緊迫感を増してきた試合は最終回へ。9回表、オリックスは一死三塁とヤクルトを突き放すチャンスを手に入れる。ここで太田の当たりは一塁への強烈なゴロ。三走・小田裕也は打球の勢いを見て走るのをやめかけたが、オスナがグラブからはじいたのを見て本塁突入。しかし、素早く打球を拾ったオスナが本塁へ送球すると、ヘッドスライディングも及ばずアウトに。結局、オリックスは得点を奪えず、5対4と1点リードのまま試合は9回裏へ入った。

 日本一目前のオリックスはシリーズ5試合目の登板となるワゲスパックがマウンドへ。ヤクルト打線を計4イニングで無失点に封じている助っ人右腕は、相手に付け入るスキを与えなかった。先頭の長岡を中飛に仕留めると、代打・内山壮真は遊飛に。最後は塩見を空振り三振に仕留めてゲームセット。オリックスが1996年以来、26年ぶりの日本一に輝いた。

 2敗1分けから4連勝で昨年のリベンジを果たした中嶋聡監督は胴上げで5度宙に舞い、「非常にいい夜空でした。ここにいる選手たち、舞洲(二軍)にいる選手たち、選手全員で勝ち取った優勝です。皆さんの応援があったから、こういうところに着いたんだなと思います」と感無量の表情を浮かべた。MVPには第4戦、第6戦で決勝打を放った杉本が選出。「メチャクチャうれしいです。昨年やられて悔しい思いをしたので、やり返せてよかったです」と笑顔を浮かべた。なお、優秀選手賞にはオリックスから山﨑福也、吉田正、ヤクルトから塩見、敢闘賞はヤクルトからオスナが選ばれた。

SMBC日本シリーズ2022 第7戦

2022年10月30日(日)
明治神宮野球場 ◇開始 18:33 (3時間12分) ◇入場者 29,381人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
オリックス 1 0 0 0 4 0 0 0 0 5 8 1
東京ヤクルト 0 0 0 0 0 0 0 4 0 4 8 1
バッテリー
【オ】 宮城(1-1)、宇田川山﨑颯比嘉、(S)ワゲスパック(3) ‐ 伏見若月
【ヤ】 サイスニード(0-1)、大西田口石山清水 ‐ 中村
本塁打
【オ】 太田 1号(1回ソロ サイスニード
【ヤ】 オスナ 2号(8回3ラン 山﨑颯