ヤクルトとオリックスが熱闘を繰り広げるSMBC日本シリーズ2022は、10月25日に第3戦を迎えた。ヤクルトが1勝1分けとし、京セラドーム大阪に場所を移して行われた第3戦の先発はヤクルトが高橋奎二、オリックスが宮城大弥。昨年の第2戦で投げ合った2人が再び頂上決戦で顔を合わせることに。しかし、「去年は去年です。今年は違った人も打線に入っているので、一人ひとり集中して投げることが大事」(高橋)、「あまり深く考えずに、精いっぱいやるだけです」(宮城)と両者とも平常心を装っていた。
昨年は高橋が9回完封勝利を遂げ宮城も8回途中1失点と息詰まる投手戦となったが、今年も両左腕が立ち上がりから生きのいいピッチングを見せた。ともに緩急を駆使して得点を許さない。2回表に宮城は一死からオスナに左翼線を破る二塁打を打たれるも、続く中村悠平はカーブで、サンタナはチェンジアップで空振り三振に仕留めた。
高橋も3回までノーヒットピッチング。4回表には吉田正尚に初安打を浴び、一死後、宗佑磨に左中間を破られ二、三塁のピンチを背負う。しかし、この窮地にエンジン全開。中川圭太に対してはスライダー、チェンジアップで攻めてフルカウントとなったところで最後は外角高めの直球で空振り三振。杉本裕太郎にはストレート、スライダーで内外角を突き、カウント2-2から内角高めの直球でバットに空を切らせた。
すると直後の5回表、ヤクルトは先頭の中村が左前打、サンタナが中前打と宮城を攻め立てる。キブレハンは遊飛、長岡秀樹はセカンドライナーに倒れたが、第2戦まで9打数無安打5三振と不振の山田哲人が魅せた。初球の直球を見逃したあとの2球目、内角低めの直球をとらえると、打球は鮮やかな放物線を描き左翼席へ。「迷わずにしっかりと振りにいきました。(先発の)高橋が頑張っているので、先に点を取りたかった」(山田)。主将の目覚めを告げる一発でヤクルトが3点を先制した。
7回表には村上宗隆が押し出し四球を選び、ヤクルトは1点を追加。高橋は5、6回もオリックス打線をゼロに抑え、6回を7奪三振、無失点でマウンドを降り、リリーフ陣にあとを託す。7回裏は石山泰稚がマウンドへ。石山は二死一、二塁と得点圏に走者を背負ったが、福田周平を見逃し三振でオリックス打線の反撃を断つ。8回裏からは清水昇が登板。先頭の代打・太田椋を遊ゴロに仕留めると、続く吉田正には右中間へ鋭い当たりを運ばれたが、右翼手・丸山和郁が好捕して二死に。頓宮裕真は中飛に斬って取り、スコアボードに再びゼロを並べた。
9回表には一死一、二塁で村上が右中間を真っ二つに破る2点適時二塁打、さらに一死三塁からオスナが中前適時打でダメ押し。7対0とヤクルトが大量リードを奪った。9回裏のマウンドに上がったのは左腕・久保拓眞。ワンポイントで宗を遊ゴロに仕留めると、小澤怜史へスイッチ。小澤は3連打で1点を失ったが、後続を打ち取ってヤクルトが7対1で勝利した。2勝1分けとしたヤクルト・髙津臣吾監督は「相手は宮城投手で立ち上がりから投手戦でしたけど、山田の一発と高橋が6回まで投げ切ったのは成長を感じました」と選手を称え、次戦に向けては「今日勝てたことは良かったです。明日は新しいゲームが始まるので研究して、勝てるように頑張ります」と気を引き締めた。第4戦は26日に京セラドーム大阪で行われる。
2022年10月25日(火)
京セラドーム大阪 ◇開始 18:36 (3時間28分) ◇入場者 33,098人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
東京ヤクルト | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 1 | 0 | 3 | 7 | 11 | 0 |
オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 8 | 1 |