阪神が日本一を決めるか、それともオリックスが逆王手をかけるか。緊張感が高まる一戦。11月4日、京セラドーム大阪で迎えたSMBC日本シリーズ2023第6戦の先発はオリックスが山本由伸、阪神が村上頌樹と、初戦と同じ顔合わせとなった。
初戦でまさかの6回途中7失点KOを食らった山本。汚名返上のマウンドとなったが2回に先制点を奪われてしまう。一死からノイジーに初球、内角高めのボール球、156キロ直球を右翼席に運ばれる。「しっかり振り切ることができたし、最高の結果になってくれてうれしいよ。大事な一戦で先に得点が欲しいと思っていたし、チームに貢献することができてうれしいね」と力強く語ったノイジー。阪神にとって、今シリーズ初本塁打だった。
阪神に流れを持っていかれそうだったが、その裏、オリックスはすぐに反撃する。先頭のゴンザレスが中前打で出塁すると続く杉本裕太郎の高々と舞い上がった打球は天井にある2枚目のスーパーリングに入り込み、ボールデッドで二塁打に。無死二、三塁とすると一死後、若月健矢が右前適時打、中川圭太が左犠飛で勝ち越し。初戦、村上に7回2安打無失点と抑え込まれたオリックス打線だが、すぐにエースを援護した。
山本は4回、二死一、三塁から近本光司に右翼へ大飛球を打たれるも、森友哉がフェンス際でジャンプ一番キャッチ。だが岡田彰布監督からリクエストが入り、リプレー検証に。フェンスに当たって捕球したか否かが確認されたが、打球は直接グラブに入っていたことが確認され判定は覆らず。森の超美技に京セラドーム大阪は両チームのファンから拍手が贈られた。
2、3、4回と走者を許していた山本だが、5回は中野拓夢、森下翔太を連続三振、大山悠輔を一邪飛と上位打線を三者凡退に斬って取る。追加点が欲しいオリックスはその裏、一死二塁から紅林弘太郎が村上のフォークを捉え左中間席へ2ラン。「何とか後ろにつないでいこうと思って打席に入っていましたし、それがいい結果につながってくれてよかったです」。三番に抜てきされた男の貴重な一発でオリックスは4対1とリードを広げる。
山本は7回、二死から近本、中野に連打を浴び、一、二塁のピンチを招くが森下を内角高め153キロ直球で二飛に打ち取り、ガッツポーズを見せた。7回を終えた時点で109球を要していたが、8回もマウンドへ。力の入った投球で三者凡退に抑えると、その裏、先頭の頓宮裕真が西勇輝の真ん中高めのシュートを左翼席にたたき込み5対1。そして9回、背番号18が悠然とマウンドに向かうと球場は大歓声に包まれた。山本は先頭の糸原健斗を157キロ直球で空振り三振。木浪聖也に右前打を浴びるも代打・渡邉諒をフォークで見逃し三振、近本を二ゴロに仕留め138球の熱投で1失点完投。山本は5試合目にしてシリーズ初勝利を挙げ、14奪三振はシリーズ最多記録だった。
オリックスはエースの見事な投球で3勝3敗のタイに戻したが中嶋聡監督は「前回やられましたが、山本由伸が2回連続でやられるわけがないと信頼して出しました」と信頼感を口に。山本は「先制点を与えてしまったのですが調子が良かったので、しっかり落ち着いて投げることができました。(14奪三振は)若月(健矢)さんのおかげです。三振が取れていることは気付いていたのですが、とにかく1イニングに集中して、気にしないように投げていました」と振り返った。
2023年プロ野球の最終決戦――。運命の第7戦で泣いても笑っても決着がつく。
2023年11月4日(土)
京セラドーム大阪 ◇開始 18:33 (3時間1分) ◇入場者 33,633人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
阪神 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0 |
オリックス | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | X | 5 | 8 | 0 |