10月28日、京セラドーム大阪でSMBC日本シリーズ2023が開幕した。3連覇を果たしたオリックス、2005年以来のリーグ優勝を遂げた阪神が、ともにクライマックスシリーズ・ファイナルステージを勝ち上がり頂上決戦へ。59年ぶりの“関西対決”に臨むことになった。
第1戦の先発はオリックスが山本由伸、阪神が村上頌樹。3年連続“投手4冠”の山本と最優秀防御率に輝いた村上の同学年対決だったが、序盤は緊迫した投手戦が続いた。初回、山本は一死から中野拓夢に左前打を浴びるも三振ゲッツーでチャンスを拡大させない。2、3回は三者凡退。4回は近本光司にボテボテの遊撃内野安打、中野は一ゴロ失で無死一、二塁のピンチを招くも慌てない。森下翔太は内角シュートで詰まらせ注文どおり遊ゴロ併殺打。二死三塁からは大山悠輔をフォークで見逃し三振に斬って取った。
日本シリーズ初先発の村上も力の入った投球を見せる。絶妙な制球力でコーナーを突き、オリックス打線に出塁を許さない。2回二死からは紅林弘太郎を自己最速152キロ直球で空振り三振。4回までパーフェクト投球とオリックス打線に付け入るスキを与えない。
しかし、5回に様相が一変する。阪神は先頭の佐藤輝明が中前打、続くノイジーの初球に気迫のヘッドスライディングで盗塁を決める。ノイジーの右飛の間に佐藤輝は三塁へ。着実に走者を進め一死三塁とすると、渡邉諒が初球の内角シュートを詰まりながら中前に落として阪神が1点先制。「(佐藤)テルと(ノイジー)シェルがつないで最高の形を作ってくれたので、三振だけはしないように、とにかく初球から思い切って打ちにいきました」(渡邉諒)。流れが一気に阪神に傾くと二死一、二塁からは近本が156キロ直球をたたき右中間を破る適時三塁打、二死三塁からは中野がフォークを左前適時打と山本に襲い掛かる。阪神はこの回、一挙4点と試合の主導権をつかんだ。
その裏、オリックスは先頭の森友哉のバットから放たれた打球が京セラドーム大阪の天井にある2枚目のスーパーリングの中へ。グラウンドルールで二塁打となり完全試合を阻止。一死から紅林が四球を選び一、二塁に。1点でも返したいところだったが、ゴンザレスは10球粘った末に二飛、若月健矢は三ゴロに倒れて無得点。どうしても村上を打ち崩すことができない。
阪神は6回にも3点を追加して山本をKO、9回にも1点を追加した。村上は7回2安打無失点と持ち味を存分に発揮。8回は加治屋蓮、9回は岩貞祐太が三者三振でゼロに抑え、完封リレーを成し遂げた。初戦は阪神が8対0とオリックスに完勝。幸先のいいスタートを切った岡田彰布監督は「今日は打つほうがすごく奮起し、個人個人が自分の役割を果たしてくれました。村上はブルペンからピッチングコーチのいい報告を受けていたので。やってくれると信じていました」と笑顔。さらに「この勢いで明日からのゲームをやっていきたい」と第2戦に向かって力強く語った。
2023年10月28日(土)
京セラドーム大阪 ◇開始 18:34 (3時間20分) ◇入場者 33,701人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 3 | 0 | 0 | 1 | 8 | 13 | 0 |
オリックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 |