第4戦で阪神が劇的なサヨナラ勝利を飾って2勝2敗のタイとなったSMBC日本シリーズ2023。11月2日に阪神甲子園球場で第5戦を迎えた。オリックスは田嶋大樹、阪神は大竹耕太郎の両サウスポーが先発。勝てば日本一に王手がかかる一戦に野球ファンの注目が集まった。
阪神は初回、近本光司が右前打を放つと中野拓夢の犠打を田嶋がファンブル。無死一、二塁とすると一死後、大山悠輔が右翼のファウルグラウンドへ飛球を放つ。右翼・森友哉が懸命に打球を追い、スライディングキャッチを試みる。これを見て三走・近本はスタートしたが、森は打球をはじきファウルの判定に。結局、フルカウントから大山は三振に倒れ、スタート切っていた一走・森下翔太はセーフ判定もリプレー検証後に判定が覆る。阪神は2回は二死一、三塁、3回は一死一塁と毎回塁上をにぎわすも、後続が断たれスコアボードにゼロが並ぶ。
するとオリックスは4回、二死からゴンザレスが大竹の真ん中低め直球をフルスイング。打った瞬間、左中間へ舞い上がった打球を見つめてゆっくりと一塁へ歩を進める“確信弾”。「少し甘く入ってきたストレートをしっかりと捉えることができたし、いいスイングができたよ」とゴンザレスが満足気に振り返った一発でオリックスが1点を先制した。
その直後から田嶋はエンジンを上げていく。4回は150キロ内角直球で大山のバットをへし折る三ゴロ。ノイジーも内角直球で詰まらせ中飛、佐藤輝明は外角低めフォークで空振り三振に打ち取る。この回投じた10球の直球の内、5球が150キロに到達する力投だった。5回には一死二塁のピンチを招いたが代打・渡邉諒を二ゴロ、シリーズ打率4割超と絶好調の近本は外角高め150キロ直球で空振り三振に仕留めた。6回も中野、森下、大山の上位打線を三者凡退に打ち取る。
1対0のまま試合は終盤に突入したが7回、思わぬ形でオリックスに追加点が入る。一死一塁から宗佑磨が中前に運ぶも一瞬、近本が捕球すると見せかけるトリックプレーに引っ掛かり一走・田嶋が二塁でアウト。チャンスがしぼんだかと思われたが、続く森の二ゴロを中野が後逸。さらにカバーに入った森下もファンブルし、一走・宗が一気にホームを駆け抜けてオリックスが2対0とした。
田嶋は7回4安打無失点でマウンドを降りると8回は2試合連続ベンチ外だった山﨑颯一郎が登板。しかし、これが裏目に出る。阪神は先頭の木浪聖也が二塁内野安打と悪送球で二塁へ。代打・糸原健斗が左前打で続き一、三塁とすると近本の右前適時打で1点差に詰め寄る。さらに、中野が犠打で一死二、三塁とするとオリックスベンチは山﨑颯をあきらめ4連投の宇田川優希をマウンドへ送る。打席には自らのミスで追加点を許してしまった森下。汚名返上に燃えるルーキーはカウント2-2からの7球目、真ん中低めのボールゾーンの152キロ直球を捉えると打球は左中間を破る。値千金の適時三塁打で逆転すると甲子園は大歓声に包まれた。さらに大山も中前適時打で続き、代わった阿部翔太からも坂本誠志郎が右越えの適時2点三塁打。一気呵成の攻撃で6対2とした阪神が勝利を手にした。
岡田彰布監督は8回の攻撃に関して「7回まではふがいなかったですけど、1年の集大成で後ろにつないで、みんなで点を取れたのはよかったですね。(森下は)今日は全然、ダメなほうでしたけど、みんなからセンターに打て、センターに打てと言われて、やっと三番らしい当たりが出ましたね」と称賛。38年ぶりの日本一がかかる第6戦に向けては「あと一つなので。1日空きますけど、明日はゆっくり休みたい。明日休んであさって京セラドームで集大成をゲームにぶつけたい」と力強く語った。
2023年11月2日(木)
阪神甲子園球場 ◇開始 18:03 (3時間28分) ◇入場者 41,031人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
オリックス | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 7 | 2 |
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | X | 6 | 10 | 3 |